2023/11/27月

 

・渡部さんすごい

YouTubeでなんとなく動画を漁ってて「アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組」ってのを見つけた。

長いチャンネル名が説明そのままだ。ただ街をめぐって飯を食うだけなのに、こんなに面白くなるんだとびっくりして、現在公開されてる16本の動画をぜんぶ見てしまった。

お店に入るファーストコンタクト、取材許可の取り方、お店の人とのやりとり、グルメの紹介、すべて達者でおもしろい。

魚料理を扱うお店でうんちくを語っていた。まず来て、カウンターの真ん中に座る奴は空気が読めてない。無粋な奴とみなされる。端っこ、ズラしたところに座る。店に通い出した頃はマグロでも切り身の端のほうがでてくる。マナーよく通ってると、だんだんマグロが中央寄りの身になってくる。ついにど真ん中の一番おいしいところがでてくる。これで認められた、通信簿で5が出た、と満足する。

こんな飲食店の楽しみ方というか、付き合い方をするってのが、大人というか、通だなって思う。僕は旅行に出てもチェーン店に入って平気なタイプだから、正直ここらへんの機微はわからない。自動注文、自動配膳、自動会計…でいいと思ってしまう。ただ、この動画には、グルメの良さってか、飲食店を発掘して食べ物を味わって人を知る、店を知るって楽しさが存分に詰まっている。渡部さんの表現力すごい。食レポのコメントのことば選びとかじゃなくて、番組の雰囲気とか流れとか、自分の見せ方見られ方を含めた総体的な表現。あと単純に胃袋がすごい。一夜に何軒もはしごして、そのたびにおすすめメニューを食べられるなと。よくあんな痩身を維持できるなと。

妻に言わせると、その通ぶった様子、うんちくを垂れるところが嫌いらしい。そういう意見もあるのか。でも、渡部さんに求められてるものって、いわゆる普通のお笑い芸人やタレントが食レポでいう「わーおいしいですー」みたいなリアクションではなくて、いわば食レポっていう文芸ジャンルのミニ評論だよね。だから偉そうに喋るってのは、仕方ないとは思うね。