2023/12/02土

ブックオフ戦利品

『生きづらい時代の幸福論』
『プロ相場師の思考術』
『パチンコがなくなる日』
『ジリ貧パチンコホール復活プロジェクト』
日本史Bの点数が面白いほどとれる本』

あとスタン・ゲッツ『Plays』ってCD。

ぜんぶで2035円。ポイントで35円引けるぜと言われて、2000円にしてもらった。

 

気分よく店を出て缶コーヒーでも買おうかと思ったが、店内で目にした『成功する人は缶コーヒーを飲まない』のタイトルが浮かんできてやめた。家で飲めば、浮いた130円で本が1冊買える。我ながら賢明な判断だ。これで成功者に一歩近づいた。

せどりにハマった時期があった。古本屋に商品を仕入れにいく感覚で本と接していた。興味を殺して高く売れる本を探すって行為は苦痛だ。ただ今日は久しぶりに自分のために本を選んだ。夢中になれた。楽しかった。CDを聞きながら、買った本を読むことを想像してワクワクした。買わなかった本に『ハリウッド・ビジネス』という日本人ながらニューヨーク州で弁護士をしている才媛の新書があった。映画の権利関係の訴訟を扱った本で、おもしろそうだったが2001年発行で、扱われている映画が絶妙に古く断念した。

 

・『生きづらい時代の幸福論』

心理学者の人が、著名学者の説を引いて幸福論を説く。もともと読むだけで一時的に楽になる、気持ちよくなれる系の自己啓発、ポピュラーサイエンスの本は好きだ。自己啓発をある種のポルノと同一視する向きもある。僕は性欲に乏しいが、自己陶酔欲だけは人一倍あるようだ。さて、この本を買ったのは、立ち読みしていると「あと3年だけ生きてみる」という、メンタルが落ちに落ち込んだときに自分に言い聞かせることばが紹介されていた箇所が出てきたからだ。脳内お花畑というか、ポジティブ心理学派のハッピーハッピーな内容なのかと思いきや、意外と深刻なところまで突いてるんだな…と驚いた。著者自信も追い込まれたときにそう自分に問いかけるらしい。さすがに自分も最近はメンタル落ち気味だけど、自死がよぎるところまではいかない。派手な失敗を思い出して「シニタイ!」と思うことはあるが。その程度だ。自分は暗いが、根は前向きなのだと思う。客観的な窮状にあっても、どうにかなるとしか思わない。

 

・『プロ相場師の思考術』

買って損した。読み終わったが一番の駄本だ。立ち読みしたときにたまたま「プロは同じ過ちを繰り返さない」みたいな箇所が目に入って、そういうプロの考え方に触れたいと思った。これが本書で唯一、噛んで旨味のある場所だった。びっくりするようなことを書いている。

もし、本当にこの世界で生きたいと思うのであれば、古書店に行って100円コーナーにある相場の本を片っ端から読んで、くだらない本とはどういう本なのかを見てみるのもよいと思います。…ムダな本を読んでこそ、初めて必要な本が見つけられる。

まさにこの本のことだ。100円コーナーで見つけた駄作。著者は、相場で勝ててない奴が金を稼ぐために解説本なんかを執筆するんだ、と言う。でも本として読むなら、まだそういう人の話を読むほうがおもしろいはず。経済学者が相場をやって勝ってるかどうかなんてどうでもいいわけで、なにか「へー」と思える知見を披露してくれたら、それで納得できる。ただこの本の著者は、こっちが「へー」とか「なるほどー」となるような話をするサービス精神もないし、文章的にもおもしろみがあるわけじゃない。本人も語るように「くだらない本を知る」という意味においてのみ存在意義がある駄本だ。