2023/12/03日

・地獄のショッピング

しんどい。しんどすぎる。休日ショッピングセンターに行くという行為がつらすぎる。何一つ楽しいことがない。買いたいものも見たいものもない。この空間でしたいことがひとつもない。死んだ時間だ。帰ったらアレしようコレしようを考えることで露命をつなぐほかない。地獄から目を逸らして、数時間後に来たる未来の自由を想像するほかに精神の活路がない。店の間をゾンビのようにさまよう。このまま歳をとって、ショッピングセンターをうろつくことが楽しくなる日が来るのだろうか。楽しくなってたまるか、とも思う。

世間のお父さん方はどう思っているのだろう。家族連れでショッピングセンターを訪れる。その一幕も、かけがえのない家族の瞬間なのだろうか。幸せな思い出になるのだろうか。酒が飲みたい、ゴルフの練習がしたい、動画が観たい、趣味の時間がほしいと思いながら、家族行事をていよくこなしているだけなのだろうか。

 

・物干し竿がない家

新幹線が通る高架のそばに、いかにもな安アパートがある。アパートの全景を望むところで信号待ちするので、よく観察する。いかに戸数を増やすか、いかに家賃収入をあげるか、といった方程式に導かれて、直方体を限りなく効率よく切り分けたような造り。まるでワゴン車だ。法律が許すサイズの箱を用意して、そこに水を流し込んで成形したような真四角の車。

アパートにはベランダがない。でもベランダにあるような人が出入りする窓、ドアはある。これを開ければ欄干もなくすぐ外だ。1階はまだしも2階も同じ造り。開いた窓から子どもが転げ落ちてくるシーンを想像して、毎回戦慄するのであった。1階に住んだら階上の物音が気になりそうだな、とかいう不安は、この外直結型のベランダを見ると気にならない。よく工場ビルの側面に、ドアが設置されていることがある。階段だけが後から外されたような佇まいで、壁面にぽつんとドアが口を開けているのを見たときと、同じ不思議や不安感を覚える。

住人が出入りするところを見ると、東南アジア系の人が多く住んでいるようだ。周辺は工場地帯で、よくアジア系、中東系の労働者を見る。8戸ほどあるアパートの全戸のベランダに物干し竿がない。竿をかける穴あきの金具にビニール紐を通して、そこに洗濯物を乗っけている。そこになぜか異国情緒がある。

言われてみれば、物干し竿ってどこで買えばいいんだ? そもそも必要なのか? という疑問がわく。僕は昔ホームセンターで買ったものを引っ越してもずっと使っているが、たしかに、どこで買うのか、買うきっかけはなにか、と考えると難しい。

幼少期から大学まで実家の団地住まいだった。「たけやーさおだけー」と売りにくる軽トラがあった。親は一度も買ってなかったし、売れてるところを見たことがなかった。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』という本で、その詐欺まがいの実態を知ってがっかりした。「たけやーさおだけー」式の移動販売で、物干し竿を買える機会はあるが、そんなトラックはほとんど見なくなってしまった。

新生活を始めるときに、ニトリで買い物をした。洗濯バサミやピンチハンガーなど、細々とした日用品一式をカゴに詰めているとき、その流れで当然のように物干し竿をカートに載せた。が、言われてみれば本当に必要なものか怪しくなってくる。

 

トゥルーライズ観る

昨晩、妻とアマゾンプライムビデオで『トゥルーライズ』を観た。コーラとポップコーンを携えて、アクションコメディ映画。最高だ。最後にこの映画を観たのは独身の頃だったか。妻帯してから、不倫のくだりを、しかも配偶者と一緒に観るってのはいままでにない情感があった。とくに、シュワちゃんが自分の妻にストリップのマネごとをさせるシーンなど、映画的にも意味不明なのに、感情的にも前後不覚に陥った。

 

日本史Bの学参を買う

きのうブックオフで世界史Bの参考書を買った。センター試験に向けて、高校生が手にとるような本だ。売り場で、日本史Aはないのか?という疑問がわいた。世界史の参考書もBばかりだ。

どうやら、Aは扱う範囲が狭いらしい。多くの学校は、試験科目にBを設定しているようで、自然と参考書もBを扱うものの方が多くなっているみたいだ。センター試験は2020年になくなって、いまは大学入学共通テストと言う。知らないことばかりだ。

先日図書館で借りた戦国時代の本、タイトルが『天下統一』ではなく『天下一統』であった。古い史料にも「一統」と記述されているようだ。世間的に普及している「統一」ではなく、あえて「一統」という聞き慣れないことばを用いるところに、イヤらしさを感じる。この本を読んで、羽柴秀吉=豊臣秀吉という事実を、高卒後20年近く経って初めて知った。

先日(2023/11/30木 北野武監督『首』を見た。これが日本史に興味を抱くきっかけとなった。とにかく人がポンポン死ぬ映画だ。

人の感想を聞いた。大島育宙さんのYouTubeチャンネルの「北野武『首』の忖度ゼロ&ネタバレ全開感想まとめ」という動画だ。ジャガモンド斎藤さんをゲストに迎えて収録された。動画内で「羽柴(北野武)は死なない安心感があった」という話があった。なぜそんなことが言えるんだろう?と不思議だった。羽柴=豊臣なのだから、本能寺の変で信長が死ぬのと同じように、羽柴が生き残ることは歴史として確定していたんだ。映画を見るにしても、最低限の教養、せめて高卒レベルの知識水準はあったほうがいいな。ちなみに専門校卒の妻に聞いたら、当然のように知っていた。僕の無知っぷりに驚いていた。

高校時分の僕が日本史を選ばなかったのは、「日本の人名とか地名とか漢字で書くのが面倒だから」という理由だった。それに日本史の先生より、世界史の先生のほうが甘い感じがしたからだ。結果、数ある苦手科目のなかでも最もしんどいのが世界史になった。

『首」の感想を語る動画で、北野武の過去作に言及される。イザコザ、殺し合い、復讐、謀略という意味で当然アウトレイジとの比較になる。アウトレイジではビヨンドが好きだなんて話になる。どんな映画だったかな? もう1回シリーズ見直したいな〜と思って近所のGEOの在庫を調べたら、全滅だった。やっぱり、みんな見直したくなるよね。