2024/02/15木

最近みてるYouTubeに「ペカリマン」というチャンネル、そして人がいる。登録者2万人。いかにもダメ男っぽい風体の男が、【無職日記】と題して金欠のなかジャグラーで立ち回る。編集がうまい。月15~20万程度の広告収入があると語る。もうそれは無職ではない。語義矛盾かもしれないが、プロの無職だ。

自分より劣位の世界を覗いて「こいつらよりはマシ」と唱えて心の平静を保っている。だから打ちもしないのにパチンコ屋で休憩したり、ボートレースの場外発売場に入ったりする。ペカリマンさんの動画は、そういう覗き趣味を満足させるが、彼はまぎれもなく成功者だ。よくマーケティング本や啓発書で見かける「弱みこそ強み」という逆転をやってのけた人物だ。

怠惰だから無職なんではない。動画の撮影をしたり編集をしたり、自分を客観視してどうすれば面白い、人に見られるコンテンツを創れるのかを考え、日々アップロードするのには、明らかにビジネス的なマインドと、コツコツと地味な作業をするマメさ、忍耐力が求められる。そのへんの真正ダメ人間にはまず務まらない仕事だ。

無職といえば、そろそろ本当に散髪に行かないとまずいことになってきた。気温が上がって、無職長髪を都合よく隠してくれるニット帽が、装備として外れる時期が近くなっている。先日も歯医者という、自分にとっては久しぶりの社会的なイベントで、ボーボーの長髪(一応バイクで行ったからヘルメットでおさえつけてはいる)を恥ずかしく思った。髪型なんて自分の好きなようにしていればいいし、伸ばしっぱなしの髪を恥だと思う心こそが生きづらさ、不自由感を生み出す恥だと解釈してもいい。髪の毛に関するあれやこれやの問題が煩わしいなら、いっそのことバリカンで丸坊主にすればよしって話だ。