2023/12/07木

・警察の取り締まり

先日(2023/11/21火)歯医者でマウピをつくってもらった。歯ぎしり対策用のやつだ。できたので取りに行った。

歯科医院の前の道路で警察官がスピード違反の取り締まりをしていた。いわゆるネズミ捕りだ。パイプ椅子に座った計測員?と、少し離れて誘導員、サイン会場となるパトカーという並びだ。横を歩いて通るとき、ピピピーッと誘導員が笛を吹き、とめられる車があった。二世代前くらいの白のクラウンで、ホイルを改造した車だった。運転席には50代の男が乗っていた。不満げに窓から出す顔は、士業の人間にも見えたし、ヤクザにも見えた。

人が捕まる瞬間というのは劇的で、おもしろい。警察24時系の番組は必ず録画する。早送りするのは、交番の定点観測と、白バイ女子奮闘記だ。酔っぱらいがくだを巻き、警官があきれた顔をするシーンに付き合う暇はない。あと女子をもの珍しがって密着する態度自体に、組織のいかんともしがたい男社会っぷりが表れている。反対に好きなのは、下着ドロとかが早朝、逮捕状や捜索差押許可状をもった刑事に訪問されるところだ。たいていの犯人はまだ寝ている。ぽかんとした家族が応対すれば、また最高だ。さっきまで平和に寝ていた人間がある朝、手錠をかけられて元いた世界から隔絶される。人生が変わる劇的瞬間だ。昼下がりのサスペンスが2時間かけて描くドラマもこの一瞬には勝てない。

歯医者の椅子にすわると、眼前のガラス窓から取締りの現場がそのまま見えた。捕まる人をみてシメシメと思った。

 

・駅前でビラを受け取る

朝、妻を駅まで送ると、決まって同じ人が駅前で演説している。どこかの熱心な市議会議員かと思っていたら、市議会の当選をめざしている人だった。メガホンを使って市政の在り方みたいなややこしい話を、頭の起きていない通勤人に浴び聞かせる。選挙シーズンならよくある光景だが、なんでもない時期になんでこの人は朝から街頭に立っているんだろう?と疑問にすら思わないほど、僕の政治的なものへの関心は薄い。ビラを受け取って、ググってやっとその人の現在の立ち位置を知った。数年後の選挙めざして、いまはひたすら名前を売る時期なのだろう。

別に右派とか左派とか、この特定の政治団体かどうのとか思わない。ただ、ビラを配っていたおばあさん、60代から70代の小柄な背の曲がったようなおばあさんの差し出すビラを無視したとき、心が痛んだ。自分の息子のような年齢の候補者、あるいは本当の息子かもしれないが、そんな彼のために、おそらく無給で寒い朝からお手伝いをしている。彼女のバックストーリーを勝手に想像して、自分の祖母を見るようでつらくなった。興味がなくとも次は受け取ろうと思ったのだ。

 

・S-1グランプリ

水曜日のダウンタウン、ナンバーワンすべり芸人を決める回をみた。芸を披露してもまったくウケないシーンが続く。それでも芸人を何十年を続けている。ウケるってなんだろう、笑いってなんだろう、と不思議な感慨がある回だった。なんか昔、松本人志さんが、面白いのと面白くないのは表裏一体みたいな話をしていた記憶がある。それでいうと、もっともスベる芸人が、もっともウケる芸人と紙一重みたいな話になってくる。単純に滑舌が悪いとか、何を喋ってるのかわからない、内容が伝わらない、ってのはウケるウケない以前のコミュニケーションの問題で、大半の芸人さんは面白くないことより、伝わらないことでスベっている。ネタの良し悪しより、伝え方の巧拙で結果が決まる。ひとりよがりの表現はスベるんだな…伝えたいことをちゃんと伝えるって大事だし、技術のいることなんだな、と思いましたです。

 

・来年は大型バイク買うぞ!

これは意気込み。心で強く思うと実現すると言うではないか。最近ずっとバイクの動画をみて、頭のなかに「ほしいほしい」が充満して他のことが考えられない状態。1つの考えに固執すると、それをどうにか達成するまでなかなか諦められない。

引き寄せの法則、なんてものを信じるたちではないが、頭で思っていると日々の行動が変わる。微々たる行動の変化が、目標にたいしてプラスに働くような結果を導く。結果があらたな行動の原因を生み、その原因が好結果をもたらす。そうして目標達成にむけて漸近していくというのは真実だと思う。

いま無理して買おうと思えば買える。ただそれで目標達成しても、なんだかなーという気がする。アパート住まいでフェラーリに乗る、じゃないけど身の丈にあってない。買えないけど欲しい、ってぐらいでずっと憧れの気持ちをもっているぐらいが、一番心理的には実は楽しいのかもしれない。欲望を欲望する、じゃないけど。

 

・生きていたら楽しいがデフォ

いつからか常に楽しいって状態はおかしいと考えるようになってしまった。大人の男は常に苦虫を噛み潰したような顔をしているものだと。しかめ面で、なにがそんなに楽しいんだ?というような態度で世の中と接するのが、成熟した、洗練された構えだと思った。

学生時代からクラスで調子に乗っている奴、浮かれている連中が好きなれなかったのもある。テンション上げて盛り上がるのが苦手だ。ワイワイ騒ぐのが苦手だ。そういうものを苦手に思わなきゃいけないと思って避けているうちに、本当に苦手になってしまった。

気分的につねに楽しい状態にある、っていうのは子どもみたいな態度だけど、ストレスフリーに生きるなら、やっぱり楽しいが正義だ。自分が楽しいことをやれていたら、誰からどう見られようとそれが幸せだし。

楽しいがデフォ。悲しいを余計に悲しんだり、つらいことを無理につらがるのはおかしい。そんな態度がデフォになってるのはやっぱり間違ってる。面倒だな、つまらないな、って消極的で冷笑的な構えがベースになっていると、本当はおもしろいことでも面倒でつまらなくなる。楽しいことをする、楽しいことを探すこと。