2024/01/02火

 

パチ屋で書いている。2日連続、夫婦でパチンコ。正月にやること貧乏だ。妻には「おれはスロット打つわ」と言って、休憩所で缶コーヒーを飲みながら優雅な執筆活動だ。なにが優雅だ。2人で打つと負けるスピードが1人の時の倍になるので、なるべく金を減らしたくないあまりにこうして抜け出してブログを書いている。まあでもパチンコ屋の休憩室は好きだ。自分を含めて、どうしようもない人間が集まっている気がして、変な安心感がある。昔は正月に何をしてたっけ? 家でゲーム、同級生の家に集まってワイワイ。いまは友達もみんな家族がいて、それぞれ家人や親戚と過ごしている。年末に同級生の集まりはあった。いまは年末年始に遊ぶといっても、その程度だ。あとは圧倒的な暇が口を開けて待っている。正月のテレビも流しているだけで基本は暇だ。YouTubeや各種サブスクには、消化できないほどのコンテンツが「あとで見る」に積まれているが、これらを独りで見る時間はあまりない。既婚者にとって孤独は尊いものだ。

パチンコ関連でいえば、「三重オールナイト」でXを検索して、派手に散っていくパチンカー、スロッターの様子を見る。設定や釘調整は悪くて当たり前、年一のお祭りに参加する気分で10万負けても納得している。はたから見れば、金をドブに捨てているように見えるし、実際そうだが、それでいいと思う。派手に散るのも美学というか、きれいさっぱり金を使い果たして、また仕事に精を出す。金融リテラシーを身につけるだとか、倹約節約、インデックス投信を積み立てるみたいな小賢しい真似をせずに、労働力と引き換えに得た価値の結晶を愚かにも浪費していくさまに、気風がある。世の中の風潮にたいするアンチというか、優等生にたいするヤンキーの存在意義のように、安泰の裏をかいて、図太く生きていく。自分にはできない。

昼過ぎに実家へ。いつもならタイムズで車を借りていくが今回は電車だ。車内に阪急百貨店の大きな紙袋を2つも3つも抱えた家族がいた。初売りに行ったのだろう。実家では銀の皿で出前寿司をとってくれた。ほかにもヒレ肉を焼いてくれた。寿司に注力してほとんど食べきれなかった。先日買ってサイズが合わなかったニトリの着る毛布を母にあげる。早速着て暖かいと喜んでいた。父から時計を受け取る。シチズンのプロマスターだ。大学の入学祝いに買ってもらった。電波時計なのだが、日付と時刻を何度あわせても狂うので、前に修理を頼んでいた。日本刀を見せてもらう。研ぎに出していた3本のうちの最後の3本目だ。先祖伝来。長く、反り返った太刀。刃文を鑑賞する。深淵な趣味だ。

先日の集まりで同級生から貰った『君はなぜ働くのか』、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え』の2冊をあらかた読み終えた。本をくれたB氏にぜひその感想を伝えたいので、頭の中で内容をまとめているところだ。まったく関係ない2冊のようにみえるが、意外と対になっている。なぜ働くのかを考えることは、なぜ働かないのかを考えることでもある。いま僕は働かずにトレーダーとして生きる道を模索している。長いトンネルの出口がようやく見えかけている場所まで来た。『君はなぜ働くのか』ははっきり言ってゴミ同様の駄本だ。『87歳 現役トレーダー』のほうが遥かに働くこと、生きがいみたいなことにじかに触れている。トレードの手法という意味では役に立たないが、本来『君はなぜ〜』が達成したい人生のヒント集とか、自己啓発的なものを、はるかに多く含んだ本だ。これを、このタイミングでくれたB氏には感謝する。本も人も出会いは運命だ。