2024/01/06土

ATMの脇にクシャクシャの明細が落ちてる。あれを広げて中身を見る。知らない人間の残高を見て「こいつ俺よりも金持ってへんやんけ」と思えたら占いは100点だ。明細から何も個人的なことは分からないとはいえ、一応大事なものというか他人に見られたらイヤなものだという認識でいる。財布にしまって家まで持って帰る。それを不用意にも機械のそばに捨ててしまう心性に、お金の扱い方の粗末さも出ているように思う。僕もお金持ちではないが、ATM脇の明細には、残高勝負で8割以上の勝率がある。今日は振込用紙が落ちていた。モバイルヴィレッジという会社に8000円の支払いをしていた。調べたら、審査無しの格安レンタルスマホ屋だ。他社で契約できない(=携帯ブラックな)人も、身分証とキャッシュカードさえあれば契約できる。ふーん、なにか事情を感じさせる明細だ。

今日は図書館で以下の本を借りた。

  • 刑事コロンボ殺人依頼∥小鷹 信光
  • サカナ・レッスン -美味しい日本で寿司に死す-∥キャスリーン・フリン
  • エフォートレス思考 -努力を最小化して成果を最大化する-∥グレッグ・マキューン
  • サブプライム問題とは何か -アメリカ帝国の終焉-(宝島社新書 254)∥春山 昇華

そういや昨日、Amazonで久しぶりに電子書籍を買った。

  • 賭けるゆえに我あり (森巣博 ギャンブル叢書2) (SPA!BOOKS)
    森巣博

昨日訪れたブックオフで同書を見た。値段は770円。高すぎる。Kindleだと399円だった。前から森巣博という作家は気になっていた。初出を調べると(2023/12/04月)のブログでその名前を出している。図書館でギャンブル、賭博関連の書籍を検索しても、依存症対策とかカジノ法案関係のものしか出てこない。たまにあっても文化史を扱った程度のものだ。ギャンブルにハマった人間の思考とか、賭けが上手い人の考え方、ゲームに狂って人が破滅していく様を見せてくれるような、熱い本が読みたい。日本株デイトレをやっているが、多分に通じるものがある。そこから学びを得られないものか、と思ってギャンブル関連の本を日々漁っている。

そしたらどうだろう。この本のAmazonレビューに次のようなものがある。

当方、カジノギャンブルは一切やらないのだが、株式投資は20年やっており、相通じる部分が多いことをあらためて勉強になった。株の本も多く読んできたが、本書は響いた。ギャンブル本だから関係ないと思わず、投資に興味ある人は是非手に取ってほしい! 株式チャートやファンダ本を読むのと同じくらい大事なことが書いてある。

ここまで書かれたら読むしかなかろう。

あらかた読んだ。明らかに良書ではない。特に緊張感があって面白く読めるのは前半部だけで、あとは内容の重複も多いし、記述も緩慢で正直読み通す気力が起きない。特に売春で資金を貯めた女子大生の「血と涙と粘液と粘膜で稼いだ~」みたいなフレーズ、気に入って何度も使用するが、そのたびにクソさぶいオヤジギャグを聞かされてるみたいで不愉快でしかたがない。ただ、ただ響くところもある。たとえば、

ケーセン(罫線)が描く通りに勝ち目が起きるのであれば、バカラで負ける奴は居ない。ケーセンは、あくまで過去の勝ち目の記録だ。いかなる意味でも、「不可測の未来」を示すものではなかった。こんな簡単なことをわかっていない奴らが多い

という箇所は、ケーセンをチャートに置き換えるだけで、そのままトレードにも通用する内容だ。最近読んだ『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え』でも強く印象に残っているのは、株価がどう動くかなんて分からないと明言している点だった。70年相場をやってきた人でもそうなのだから、まして数年の人間が分かるはずもない。そもそも値動きを予測することじたいがナンセンスなのだ。こうなったらこうしようという対応をどれだけうまくできるかが、トレードの腕だ。

博奕打ちの器量を決める第三の要素は、ツラを取れるか取れないかにある

ツラとは出目の偏り。一見確率を無視したように思える一方的な流れのことだ。コインでいうと10連続表が出るような展開。いやー、これこそ自分のトレードがいま一歩伸び悩んでいる核心部分だと思う。株でも爆裂に上がっていく銘柄というのはある。強い陽線が連続したあと、もうないだろうと思った銘柄ほどグングン突き抜けて上昇を続けていく。これこそツラだ。理解不能な一方的な流れ。そして強い人、上手い人はこれを取っていく。一方、博奕打ちの器量を決める第一の要素として「勝ち逃げ」を挙げる。

勝ち逃げだけが、博奕の極意。

と言い切る。この勝ち逃げと、ツラを取る間に、自分が目指す理想のトレードがある。